ワクチンはどういったもの?解剖生理学から読み解こう! - 国際資格認定のセラピストスクール
イギリス国際資格認定校・セカンドキャリアのためのセラピストスクール「マジックハンズ・セラピストアカデミー」の坂巻です。
先日、ブラジルで新たな株「デルタクロン株」が発見されたというニュースもありました。
今後、日本へ流入してくるかは分かりませんが気をつけたほうが良いことに変わりはないですね。
その中で全国的にも蔓延防止防止等重点措置が解除され、日常での規制も徐々に緩くなってきました。
その背景にはワクチン接種がかなり重要になってきていると思います。
さて今回はそのワクチンについて解剖生理学の面から少々触れていきたいと思います!
そもそもワクチンとはなんなのか? そのポイントは身体の「免疫」に関係してきます!
ワクチンの説明の前にその免疫について触れていきましょう!
①身体を外敵から守る戦士達
私たちの身体には「免疫」と呼ばれる機能が備わっております。
これは身体を外敵(細菌やウイルスなど)から守ってくれるものです。
※以後、外敵を抗原と表記します。
それを行ってくれているのが「白血球」と呼ばれる血液中に存在する細胞です。
この白血球が身体の中に侵入してきた抗原を倒してくれる戦士なんです!
白血球は主に5つの種類に分けられます。
「好中球」「好酸球」「好塩基球」「単球」「リンパ球」です。
この5つの種類はそれぞれ抗原の得意不得意があり、その抗原に合わせて戦います。
②戦士達の戦術
白血球は抗原によって戦術を変えます。
身体に侵入してきた抗原に対して、得意な戦術で白血球がグループとなって抗原を攻撃します。
そしてこの戦術は大きく2つのグループに分けることができます。
・身体に侵入してきた抗原を見つけ次第、即座に攻撃する
→「自然免疫(非特異的防御機構)」グループ
・過去のデータから効率よく抗原を攻撃する
→「獲得免疫(特異的防御機構)」グループ
ではこの2つグループで戦術がどう違うのか見ていきましょう!
③切り込み隊「自然免疫グループ」
自然免疫では主に「好中球」という白血球が活躍します。
好中球は身体の中に抗原を発見すると即座に攻撃し倒します。
それ以外にも「単球(マクロファージ)」も自然免疫に関与します。
単球は好中球より大きく、抗原を倒す力も強いのが特徴です。
その他、「好酸球」「好塩基球」も自然免疫グループです。
このように自然免疫は、身体に侵入してきた抗原をいち早く見つけだし攻撃する免疫の最前線で、人間が元から持つ免疫のことを指します。
④遅れて参上「獲得免疫グループ」
獲得免疫では主に「リンパ球」という白血球が活躍します。
獲得免疫グループは自然免疫と違い抗原が体内に侵入するだけでは攻撃を開始しません。
獲得免疫グループが働くためには自然免疫グループの働きが欠かせません。
自然免疫グループにいる単球などの抗原提示細胞と呼ばれる白血球が必要不可欠です。
自然免疫グループによって攻撃を受けた抗原の一部をこの抗原提示細胞が見つけると、抗原提示と呼ばれる行動をします。
これは体内にどういった抗原が入ってきたかをある細胞に知らせるためです。 その細胞とは「ヘルパーTリンパ球」です。
このヘルパーTリンパ球が抗原提示を受けると、キラーTリンパ球やBリンパ球と呼ばれる白血球に指令を与えます。
要はこの「ヘルパーTリンパ球」とは後二者の司令塔のような役割です。
この指令を受け取ったキラーTリンパ球とBリンパ球が抗原を攻撃するため働き始めます。
⑤真逆の戦術
キラーTリンパ球とBリンパ球は真逆と呼べるようなの戦術で抗原と戦います。
・キラーTリンパ球
ヘルパーTリンパ球から指令を受けると、体内に侵入してきた抗原に特化した形でキラーTリンパ球は増殖します。
特化した形とはその抗原専用の形で自らを増殖させるということです。
専用ということですの先に戦っている自然免疫グループよりもその抗原に対して優位に戦うことができます。
そして自らが抗原と直接戦うのがキラーTリンパ球の戦術です。
これを細胞性免疫と呼びます。
・Bリンパ球
ヘルパーTリンパ球から指令を受けると、体内に侵入してきた抗原に特化した形の抗体という武器を生成します。
この抗体と呼ばれる武器は、体内に侵入してきた抗原専用の武器ですので効果は的面です。
Bリンパ球はこの武器を用いて攻撃する戦術をします。
これを体液性免疫と呼びます。
イメージで言うなら
キラーTリンパ球は接近戦を得意とする肉体系
Bリンパ球は武器を用いて遠距離を得意とする頭脳系
とでも呼べるでしょう。
このような獲得免疫グループは人間の体がもともと持つ免疫というわけではなく、抗原が体内に侵入し抗原提示を受けることで働き始める免疫なのです。
ですのでどうしても自然免疫グループに比べると働き始めるまでの時間がかかってしまうわけです。
⑥ワクチンとどのような関係?
さて今ご説明したとおり、私たちの身体は2つの免疫グループからなります。
切り込み隊である「自然免疫グループ」と遅れて参上する「獲得免疫グループ」からなります。
さて今回のワクチンと同関係してくるのかという話ですが
私たちの身体の中の白血球には、体内に侵入してきた抗原がどのような抗原だったかを覚えている「記憶細胞」と呼ばれる細胞が存在します。
この細胞は自然免疫グループにより倒された抗原の一部を細胞内に取り込み記憶する細部です。
この細胞のおかげで、一度でも体内に侵入したことのある抗原は自然免疫グループだけでなく 素早く抗原提示を受け獲得免疫グループも時間がかからずに攻撃を開始することができます。
ワクチンとはこの抗原を体内に入れるものです!
とはいえそのままの状態で抗原を体内に入れることは危険です。
要は元気な細菌やウイルスを体内に入れれば体内で増殖し、その病気にかかっている状態になってしまうからです。
ですのでワクチンはその対象となる抗原の一部や死骸を体内に入れることで、記憶細胞にその抗原の情報を覚えさせる。
それにより初めて体内に侵入する抗原でも、ワクチンに前もって情報を覚えさせているので 獲得免疫グループを直ちに働かせることができます。
それにより病気を重症化させる前に食い止めたり、発症を抑えることができるのです!!
このようにワクチンとは抗原に対して身体が優位に戦える状況を作るために接種するものなのです。
ワクチンがどのようなものなのか、そして身体ではどのようなことがおこているのか これは人間の身体の構造や機能、解剖学や生理学がわかっていると理解しやすいものになります!
色々な情報が流入する世の中です。 その判断材料として、自分の身体がどのように働いているのかを知っておくのは損ではありませんね!
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