イギリス国際資格認定・セカンドキャリアのためのセラピストスクール「マジックハンズ・セラピストアカデミー」の手島です。

さて、「一流のセラピスト」とはどんなセラピストを言うのでしょうか？

・ものすごいほぐしのテクニックを持っているセラピスト？
・化粧品を知り尽くしているセラピスト？

・立ち振る舞いがとても美しいセラピスト？

どれも憧れる内容ですが、

実はサロンやスパに行ったとき、そのセラピストか一流かどうかがもっとも顕著にわかるポイントがあります。

それは、

「タオルワーク」

です。

「タオルワーク」とは、セラピストが施術する際に行う、タオルの取り扱い全般についてを意味します。

例えば、お客様をお迎えするベッドセッティングや、施術前後に足や体を拭いたり、お客様の体位変換やストレッチの際の目隠しとしてタオルでカバーすることもタオルワークです。

オイルトリートメントやリンパドレナージュなどの、リラクゼーションを重視するセラピーやトリートメントにおいて、セラピストのタオルワークがお客様の安心感や満足度を左右することは言うまでもありません。

タオルワークの目的

①お客様に恥ずかしさを感じさせない

全身トリートメントの場合、多くのお客様は衣服を脱いで無防備な状態です。初めてサロンを訪れたり施術を受け慣れていない方は、ベッドに横たわることにも緊張感を持つかもしれません。個室やカーテンで仕切られてるとはいえ、うつ伏せから仰向けになる際など素肌が見えないか不安になる方もいるので、心配りの行き届いた安心感があるタオルワークが望まれます。

②身体の保温や体温調整

昨今は男女問わず冷え性に悩まされる方が少なくありません。寒い季節だけではなく夏も冷房で冷えやすいため、お客様の身体が冷えていないか気を配り、予備のタオルを重ねるなどの配慮が必要です。タオルをかける際に風を起こさないようにすることも基本テクニックです。また、お客様によっては暑いと感じる場合もあるので、状況に応じて部分的にタオルをかけないなど、臨機応変に対応しましょう。

③リラクゼーション効果のアップ

人の皮膚は思っている以上に敏感で、髪1本触れているだけでも分かるといいます。ですので、身体に直接触れるタオルにシワがよったりたるんでいると、お客様はすぐに気づいてしまうでしょう。逆に、寝心地が良い体勢やタオルセッティングをすることで、横たわるだけで感動されることもあります。さらに、タオルの素材や肌触りはとても大切ですので、ぜひこだわってみることをお勧めします。

④お客様からの信頼感が高まる

コロナ禍において、多くのセラピストは施術中の会話を最小限にしているかと思います。その際に、言葉ではない心遣いや思いやりを伝える方法として、タオルワークは最良の手段になります。身体に直接触れるタオルが心地よければ「あなたを大切にしています」というメッセージとなります。特に身体が冷えているお客様で、寒くてもなかなか伝えられない方もいますので、ささいなことに気づけると信頼感につながるでしょう。

⑤施術時間のロスをなくす

貴重なお客様の時間ですので、施術時間内に終了することは大切です。タオルワークがスムーズにできると動きに無駄がなくなり、時間内に提供できる手技が多くなります。施術の流れが途切れずに次の施術にうつれるため、お客様も目が覚めることなくゆったり過ごせるでしょう。限られた時間の中でいかに満足感を持っていただけるかは、タオルワークのレベル次第とも言えます。

タオルワークはセラピストの勉強を始めた人が一番はじめに勉強する基礎スキルの一つでありながら、 タオルワークにこそセラピストのレベルが顕著にあらわれます。

逆をいうと、
どんなに知識や技術が素晴らしくても、タオルワークが雑だとお客様の満足度と評価はガクンと下がります。

特にセラピーを受け慣れている人ほど、タオルワークへの感度は高まりますので、今施術をしているセラピストの方も、一度タオルワークから見直してみてはいかがでしょうか。

次回の記事では、セラピストがタオルワークを行う際に気をつけるポイントについてはお伝えしたいと思います。

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